<PC-8801mkII FRの分解>



 手元のPC-8801mkII FRは、真っ赤に塗装してしまうというかなりアレなことをしたので(笑)、その折に分解写真も撮っておきました。

分解手順

 PC-8801mkII FRの分解は、そんなに難しくありません。部品数も少なく、上部カバーを取って電源と5インチフロッピーを外せば基板に到達出来ます。
 が、一応、簡単に説明します。

基板を外す

 まず、基板に直接ネジ止めされているネジを外します。が、これだけやっても取れません。

 基板は、背面のプリンタコネクタ・RS-232Cポート・アナログRGB-OUT端子がネジ止めされているネジでも、同時に底に止められています。そこで、この各端子に付いているネジも外す必要があります。

 こうして、ついに分解することが出来ました。




 では、分解したブツを見て行ってみましょう。

CPUについて

2つのCPU


 PC-8801mkII FRのCPUは、NEC製のμPD780C-1です。が、基板をよく見ると、このチップは2つ載っています(写真参考)。
「? なんでデュアル?」
 と思ったのですが、これはどうやら、N-basicモード用とN88-basicモード用みたいです。パターンを追ってみると、この2つのCPUの回路は全く分断されています。つまり、2つのパソコンが中に入っているみたいな感じですね。
 そんなワケで、CPUは2つありますが、デュアルって訳ではありません。



音源について

YAMAHA YM2203C  機種紹介のページで述べたように、このPC-8801mkII FRには、当時最先端のFM音源が積まれています。FM3音、SSG3音というのは、当時大変豪華なものでした(モノラルですけどね)。

 図のチップが、その音源チップ、YAMAHAのYM2203Cです。このYM2203は、1991年発売のPC-9801DAにも標準搭載されています。つまり、俗に言う「26音源」ことPC-9801-26Kがこのチップを積んでいるのです。
 YM2203Cを初めて積んだパソコンが、このFRの親分機、PC-8801mkII SR。つまり、FRは2機目ということになります。当時はYM2203Cはアーケードゲームの基板なぞにも、よく使われていたようです。


電源について

 標準搭載の電源から出ている電圧を測っておきました。一体この2001年現在にこんな情報が役に立つ人がいるのかは謎ですが、まぁヒマだったので(ぷ。

FDDの電源 基板への電源 ファンへの電源


バッテリ電池

 ファンには交流100Vが来てますので、加工するときは気を付けましょう。

 また、拡張スロットの下にバッテリ用と思われる電池がありました。2.4V 30mAhとなっていました。
 現存するPC-8801mkII FRの電池はまず間違いなくヘタっているでしょうから、変えておくと良いかもしれません。


基板裏側について

基板の裏側  ピカピカしていて、綺麗でした(ぷ。

 このマザーには手直しのジャンパなども一切這っておらず、非常に丁寧な作りのマザーでした。元々、NECの製品にはジャンパが這っている物は少ないですね。
 もっとも、初期のA-Mateにはジャンパ這いのマザーがたくさんあったとも聞きますが。

VRAMについて

VRAM  こんな感じで、VRAMはメモリチップが6つ載っています。HITACHI製の物で、

JAPAN 8608
HM48416AP-15
A0015NN
って表記がありました。

 最初の「8608」は、おそらく1986年8月製ってコトでしょう。あとの記号はメンドいから調べてません(ぉ。ヒマなときにデータシート漁っておきます。


FD周りについて

FDDコネクタFDDはTEAC製
 FDDのコネクタを刺すトコロは、なんと日本語で「ドライブ1」「ドライブ2」とシルク印刷されていました。うーん、日本語でマザーに印刷している基板って、初めて見ました。

 FDは、2Dドライブですね。TEAC製の物が使われていました。

拡張スロットについて

拡張スロットは実は2つ?!  このPC-8801mkII FRは、仕様上は拡張スロットは1つですが、実際に開けてみるとこのように受け口自体は2つあります(写真は既に1枚ボードが刺してある状態です)。んが、受け口のスロットの色が違います(標準のは黒、隠しは青)。
 筐体に穴を開けて、ここにボードを刺せば、拡張スロットを2つに出来るのでしょうか。残念ながら試そうにも、PC-8801用の拡張ボード自体が手元にないので、検証は不可能です。

 PC-9800シリーズのCバスと同じような仕組みなら、問題なく使えるはずなんですけどね。(Cバスは、IRQと信号の減衰、筐体の大きさを無視すれば、無限に増設可能らしいです)。


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