<シャア専用PC-8801mkII FRの作製>赤く塗るだけ。
──はじめに──
パソコンを塗装するのは(いや、それどころか塗装というものすら)初めてだったので、色々と試行錯誤しながらやってみました。なので、かなりバカ(関西風に言えばアホ)なコトをしているかもしれません。
なお、この色で小さく書かれている文章は、読まなくても支障ありません(ぷ。
- ──序──
現存するPC-8801は、大抵、非常に黄ばんで見えます。元々がベージュ色ですから、年代の黄ばみも合わさって、随分と汚く見えてしまうのです。
私のPC-8801mkII FRも黄ばみがひどく、風呂場用の洗剤で丸洗いしてみたのですが、あまり綺麗になりませんでした。他にいい方法は無いかと思い、一時は深夜のテレビ通販(テレコンワールド……関西ローカルかもしれません)のアヤシイ洗剤を買ってみようかとすら疲れた頭で考えました(結構本気で、買おうかと思いました)。
そんな折、昔の月刊ASCII(※注)に筐体の掃除が載っていたのを思い出して、パラパラとめくっていたところ、その中の初代PC-9801をライトグレーに塗装してしまう、という記事が目に付きました。
「……ああ! そうか、塗装してみよう!!」
初めはその記事と同じライトグレーにしてみようかと思ったのですが、どうせなら取り返しの付かないぐらいハデな塗装をしてみようと思い、真っ赤にしてしまうことにしました。……そう、「シャア専用PC-8801」の作製です。
※注……
月刊ASCII 1990/12月号に載っている。
この頃の月刊ASCIIは(いや、今もかも……)、一体どこまで本気なのか分からない記事が多い。特に1990/12月号の355ページ、「マウスにふんどしを穿かせてみよう」は、10年以上経った今でも、本気なのか冗談なのかが判別できない、実に謎な記事である。
- 用意するもの
- ラッカースプレー(水性のもの)
- 塗る筐体(初めての時は、失敗してもダメージの小さい物にしよう)
- レインコート
- 軍手、マスク、ゴーグル
- 大きなダンボール箱
- 新聞紙たくさん
- うるさくしても、シンナーの臭いをさせても文句の言わない隣人
- (同上)管理人さん
塗装の前日に、「明日は晴れていい天気になりますように」とお祈りすること。
- 塗装の手順
塗装の前に、まずは筐体を洗っておきましょう。油汚れ等が付いていると、色ムラの生じる原因となります。私はいつも、筐体は分解して、風呂場で洗います。シャワーをかけながら、風呂用の洗剤とスポンジでゴシゴシとこすって綺麗にします。
洗ったら、よく乾燥させて下さい。水が残ってると、やはりムラが生じますし、塗料のノリも悪くなります。計画の前日に洗っておいて、干しておくのがベストでしょう。
なお、筐体を目立つところに干していると、隣人に変な目で見られます。その際に、「いやぁ実は筐体を塗装してみようと思いましてねハハハ大丈夫ですよ失敗してもいいものですからそれにパソコンは何台も持ってますしどうです一台差し上げましょうかいやいやいいですよどうせジャンクな物を拾ってきたんですからぷぷぷぷぷ」などと言うと変人扱いされ、管理人や大家さんに通報が行って追い出されるかもしれません、筐体を干すときは目立たない場所に干しましょう。
これが、今回使用した物です。「ニッペホームプロダクツ株式会社」だそうです。親会社は日本ペイント販売西日本で、DIY関連の商品を、子会社のこのニッペがやっているらしいです。ああ、またいらん知識が増えてしまった。
さて、スプレー塗料には、水性系/油性系/アクリル系があります。私が用いたのは水性系の物です。
水性とは言っても、充分に乾かせば屋内での使用は問題ない程度の耐水性を持ちますので、普通はこれでOKなハズです(そもそも、屋外で雨に濡れる状況を前提に作られたパソコンって私は知りません……FC-9800シリーズ? あれは堅牢性か……)。そういえば、自衛隊用のPCも特別な旧蜂でしたね。
アクリル系、油性系とも得意とする分野があるそうですが、よく知りません。モデラーさんとかバイク塗装をされている方とかのページを見て下さい(手抜き)。
なお、塗ってみるとこいつ、赤と言うよりオレンジって感じでした。あまりフタの色はあてにならないみたいです。かといって、色々試そうにも、ラッカースプレーは一本600円くらいしますから、気軽にたくさん買うことは出来ません(私の財力では)。
では塗りましょう。新聞紙を敷いてもいいのですが、結構広範囲に敷かねばなりません。私は、ダンボール箱に新聞紙を敷き、その中にブツを置いてスプレーしました。これなら、そんなにスペースも要りません。
塗る前には、軍手(手の汚れの気にならない人、手が薬品なぞに強い人は要らないかも)、レインコート、ゴーグル、マスクを装着して下さい。出費を惜しんでアレな目に遭うと大変です、面倒がらずに揃えましょう。
なお、塗っている最中に隣人の訪ねてくることの無いようにして下さい。よく晴れている日にレインコートを着てゴーグルを装着し、軍手にラッカースプレーを持ってマスクをかけた今のあなたは、どこから見ても変態です。大家さんが訪ねてきても、居留守を使いましょう。追い出されること確実です。
さて、まず最初に言っておきます。大事なことは、一度で塗ろうとしないことです。最初のスプレーで、筐体の下地が全く見えなくなるようでは、塗りすぎです。写真のように、1度目のスプレーではまだ下地は見えます。薄く塗っては乾かして、また薄く塗っては乾かして……と、何度か繰り返して完成させて下さい。
塗りたく無い部分には、あらかじめテープを貼っておきます。マスキングテープは持っていなかったので、私は荷造り用の適当なテープで代用しました。本来は前面のロゴを型抜きしてマスク、という工程を経るべきですが、今回は前は塗らないという腑抜けな作戦を取ってしまいました(すみません)。
塗るときは、風通しのよい場所でやりましょう。……って、どこでしょうね、それ。車庫でやると良いとか、庭でやると良いとかとんでもないことを言う人がいますが、私の家にそんな物はありません。結局、洗濯物を干す小さなベランダでやりました。
スプレーをよく振ります。カラカラを確認して下さい。噴出させるときは、ためらいなくがっしりとボタンを押しましょう。こわごわと弱く押すと、むしろ塗料が固まって出てきてしまい失敗します。強く押すと、小さな粒子が出てきて、綺麗にスプレーできます。吹きながらスプレーを平行に移動させて塗っていきます。
動かし方は、右の図のように、まずx軸方向に振らし、続いてy軸方向に揺らすと良いようです。ちょっと早めかな、と思うくらいの早さで動かすのがちょうどいいくらいでした。また、x軸方向に動かす時でも、細かくy軸方向に振動させながら動かしていくのが良いようです(要するに、スプレーを揺らしながら吹き付けていく)。
先にも言ったように、薄く塗ったら乾かして、また薄く塗って……と何度も塗り重ねて下さい。吹き付けたときに、泡だってしまうくらいでは吹き付けすぎです。
1日がかりの作業になりますが、仕上がりを考えてのんびりとやりましょう。
- 完成品
うーん、やっぱりフロントカバーを塗らなかったのは失敗だったかも……。フロントカバーも色を付けたいと思います。
ただ、同じ赤に塗るとダメっぽいですね。ライトグレーでやってみるといいかもしれません。
底面もちゃんと塗ってあります。
ここは時間があったので、薄目に何度も塗りました。ゴム足は塗らない方が良かった気がします(テープで覆うのが面倒だった)。
なお、側面部は手を抜いて1度で塗ってしまったところ、案の定すぐに塗装がハゲてしまいました。一方、薄目に何度も塗ったこの底面部は、かなりこすったりしていますが全くハゲは出てきません。色ムラだけでなく、このように塗装のハゲも出ますので、1度塗りは避けた方が良いようです。
後ろのスロットカバーも塗ってあります(というか、小さいので最初にこれで練習した)。
ってなわけで、所々塗り方にムラがあるのですが、全くの素人がてきとーにやってみただけでも、結構綺麗な仕上がりが得られました。所有PCのケースの色が気に食わず、時間がある方は、やってみると面白いかもしれません。
ただ、自分でやっておいて何ですが、赤は止めた方がいいと思います(ぉ。