こいつはナカナカ特殊なブツです。
今は亡きNECホームエレクトロニクス発売のこいつ。なんと、このボードをCバスに刺すことにより、往年のNECの名ゲーム機、PC-FXのゲームをPC-9800シリーズのパソコンでプレイすることが出来るようになるのです。
メインの基板はこのボード上に載っていて、CD-ROMとCPUをパソコンから借ります。なので、それなりの性能は要求されます。とりあえず箱の推奨動作環境を写しておくと:
対応機種 | PC-9800シリーズ(CPUにi486SX33MHz以上を搭載したもの) |
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ハードディスク容量 | 200Kバイト以上 |
CD-ROM | データ転送速度が300Kバイト/sec以上のもの(2倍速以上) 但し、ファイルスロット接続タイプは除く |
SCSIボード | PC-9801-92、PC-9821-E10又は同等品 (ご使用のシステム環境により、必要ない場合もあります) |
ディスプレイ | テレビのビデオ入力端子(NTSC)、S入力端子又はPC-9821Cb、Cx、Cf、 Cb2、Cx2のビデオ入力端子、S入力端子に接続 |
対応OS | 日本語MS-DOS Ver.3.3以上 日本語MS-DOS CD-ROM Extensions Ver.2.2以上 |
SCSIボードは、普通にHDDとCD-ROMドライブを内蔵している機種なら必要ありません。
これが、PC-FXGAに付属しているもの全てです。随分とまぁ盛りだくさんですね。
が入っています。
これが、PC-FX用のゲームパッドです。PC-FXGAには後部に二つのゲームパッド用のポートが付いており、FXと同じパッドが使えます。
余談ですが、私は根っからのアーケードゲーマーなので、家でRPGをプレイする時ですらスティック型のゲームパッドじゃなくちゃダメな人なのです。が、まさか私もPC-FXで怒首領蜂やエスプレイドをやろうとは思いませんから(笑)、まぁガマンしてこれを使っています。
そんなに素晴らしいわけでもありませんが、特に致命的な不都合も無いですね、このパッドは。
接写してみました。
2段重ねになっていて(ちょうどセカンドバスが載っているみたいに見える)、かなりみっしりとしています。重量もナカナカ。しかしあの巨大なPC-FXがこれ一枚に入っていると思うと、随分コンパクトですね。
ただ、流石に電気を食うらしく、説明書には「Cバスを一つ空けて使用してください」の注意書きがあります。つまりCバス2つぶんの電気を食うということですね。もっとも、旧蜂はその辺余裕を持たせてありますから、かまわず埋めてしまってもオッケーなことも多々あるようです。
なお、ハドソンとの共同開発のため、基板上にはハドソンのロゴと例の蜂マークの入ったチップがたくさん載っています。
背面です。ここに鬼のようにケーブルを刺すので、結構悲惨な状態になります。
左から、S端子出力、VIDEO出力、AUDIO OUT、ゲームポート*2、AUDIO IN、電源(ACアダプタ)、となっています。AUDIO INへは、本体のCD-ROMドライブからのPHONE OUTを入れてやります。
このように、背面は結構悲惨な状況になります。私のようにケーブルが這ってると安心する性格の方なら良いのですが、これを刺したままパソコンを移動しようとすると大変です。
さて、このPC-FXGAは、MS-DOS上からプログラムを立ち上げ、VIDEO出力します。つまり、パソコン用のディスプレイとは別に、VIDEO入力のある機器(普通はテレビでしょう)が必要となります。
しかし、テレビをディスプレイの隣に置くと、ディスプレイの画面が揺れる等の症状が出ることがあります。それに、これだけのためにテレビを設置する方も少ないでしょう。
そこで私は、ビデオ入力のあるRGBディスプレイを使用しています。具体的には、PC-9821Ce2付属のディスプレイです。これは、RGB入力、VIDEO入力2系統があり、テレビも映るという非常に優れたディスプレイです(が、画質はイマイチ……)。このようなディスプレイを使用すれば、テレビは必要ありません。
また、完全にPC-FX専用マシンとしてしまうならば、AUTOEXEC.BATにFXGA.EXEが走るように設定しておけば、RGBディスプレイを繋がずにテレビだけ繋いでおく、という技も考えられます。
実際に使ってみた結果は、特にトラブル等もなく、満足しています。何よりNECの名ゲーム機が自宅にやってきたのが嬉しかったりします(^-^;;)。EPSON互換機でも問題なく動くようです(未確認ですけど)。
また、このPC-FXGAは、本来はゲームや映像を作るという方に主眼を置いて設計された(らしい)ので、本家には無い3D機能も盛り込まれています。確か、電波新聞社のマイコンBASICマガジンにも、これを用いた3Dプログラミングの連載があったような記憶があります。
総合的に見て、見つけたら買いでしょうね。安いですし(5000円は超えません)、その代わり、もう2001年現在では店頭では滅多なことでは見かけませんから。