<外付けモデム>


モデム……電話回線を通じてネットにつなげちゃう、夢の機械。

 PC-9821V10の後期ロットには、標準で内蔵(Cバス)FAXモデムボードがついています。28800bpsで、MNPクラス4/5およびV.42搭載、プラグ&プレイ対応と、十分なスペックを持っています。
 しかし、内蔵モデムは、IRQを一つ消費します。ただでさえIRQの空きが少ない98に、これは頂けません。また、どうも私のところの内蔵モデムは不具合が多く、何かトラブルが起きたとき、モデムを切り離すと上手く行った、ということが多々ありました。それに加え、ディープにインターネットにハマるうち、28800bpsの速度に不満を感じるようになりました。

 このことより、日本橋(大阪の秋葉原)に遊びに行った際、56kbpsの外付けFAXモデム、ロジテック社の「LFM-560TS2」を、(確か)8800円で購入しました。

 さて、98で、モデムの使用時の注意点は、

 COMポートの形状は、D-sub25ピンメスと、D-sub9ピンオスの2種類があります。25ピンの方は98の全機種に搭載されていますが、9ピンの方はPC-9821のみになっています。9ピンのシリアルポートは、PC/AT互換機で使われており、これと互換を取るため、PC-9821から付けられるようになりました。
 PC-9821のWindows95では、この25ピンを「COM1」、9ピンを「COM2」、内蔵モデムを「COM3」と認識しています(Win3.1では内蔵はCOM4です)。普通は、IRQ確保のため、COM2は封印します(電源投入時、HELPキーを押しながら出てくるセットアップメニューで、「2nd CCUを使用しない」を選択する)。

D-sub25ピンメス(左)とD-sub9ピンオス(右)

 この25ピンと9ピンのコネクタは、変換コネクタが安価に売っていますので(でも数千円はするかも)、間違えて買ってしまってもそんなに悲嘆にくれることはありません。実際、「PC/AT、98両対応」と書かれているモデムも、本体は9ピンのケーブル付属で、あと25ピンと9ピンの変換コネクタが付いているだけ、ということが多いです(あと、もちろんドライバも)。
 普通は、PC-98では、COM2を封印し、COM1を使用します。私も、COM1にモデムを繋ぎました。

 さて、普通ならこれで終わりなのですが、私は一つ問題がありました。デジカメの問題です。

 私は、CASIOのデジタルカメラ、「QV-200」を持っています。このホームページに載ってる写真も、全てこれで撮影しています。
 この機種は、シリアルポートにケーブルを接続して、画像データを転送するのです。モデムを買ったことにより、デジカメを繋ぎたい場合には、パソコンの裏側にもぐらねばならなくなりました。これは非常に疲れます。
 しかし、世の中には便利なものがあります。シリアルポートの分岐器が、ちゃーんと売っているのです。

 写真は、エレコムの、RS-232Cの2回線分岐器です。3,4個に分けることの出来る分岐器も売っていますが、飛躍的に値段は上昇しますし、2分岐で十分でしょう。値段は、3000円ほどでした。

 パソコン
   |
 分岐器 ── モデム
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 デジカメ

と接続します。デジカメ←→分岐器間のみ、クロスケーブル、あとはストレートケーブルです。PC本体との接続ケーブルは、フル結線のストレートケーブルを用います。クロスケーブルとは、名の通り、一部の結線がクロスしており、デジカメや2台のコンピュータのように双方向通信が必要な機器との接続に使用します。

結果

 結果としては、内蔵モデムでは調子の良いときでも、3KB/sec.以上のスピードは出ませんでしたが、56kbpsのモデムに変えたことにより、調子のいいときには、6KB/sec.を超える事もあるようになりました。また、IRQの空きも一つ増え、すこぶるシステムが安定しています。

 56bpsK外付けモデムは、98/AT/MAC全てに対応している物も売っていますから、マシンを買い換えた際にもそのまま使えますし、日本の電話回線の都合上、これ以上のスピードのモデムは、もう出ないと言っても過言ではありません。
 また、98の内蔵モデムは、色々と不都合を良く聞きます。IRQの衝突や、ドライバの不都合、またDOSからの通信なども厄介です。私も、WTERMを内蔵モデムで使用するのは、断念しました。


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