<メモリの増設>


メモリ……コンピュータが処理を行う際の、作業場を提供するもの。

 

 Windows95やWindows98を使うには、最低でも64MB程度のメモリが無ければ、あまりの遅さにイライラが止まりません。しかし、PC-9821V10に標準搭載されているメモリは、たったの(当時はそれで十分だったのですが……)16MB。そこで、思い切って、パフォーマンスの大幅向上を願い、32MBのメモリ2枚を、えいやと購入しました。

メモリとCASTER メモリの写真。マシンの中を開けたことのない方のため、サイズ比較のCASTER-MILDを置いてあります(笑)。比較すればわかりますが、メモリは、初めて見る時は非常に「小さい」と思うでしょう。

 上が、標準搭載の8MBメモリ。下が、増設した、パリティージェネレータ搭載の、IO-DATA社製の32MBメモリです。あからさまにICチップの数が違うので、間違えることがありません(笑)。

 一昔前のマシン(NEC製に限らず、PC/AT機でもマックでも)では、この写真の、「72ピンSIMMメモリ」が使われていますが、最近はこれより二回りほど大きい、「168ピンDIMMメモリ」が使われています。

 さて、NEC製98において、メモリ増設時の注意点は……

 え、うそ、だってアニキ、SIMMとかパリティとか30ピンとかEDOとかどーすんだよアニキィィィ!! の声が聞こえてきそうですが、そーゆーことではなくて、「NEC製PC-9800シリーズ固有の問題は無い」というコトです。あ、一つだけあった。

 HELPキーを押しながら立ち上げる、セットアップメニューで、「16MBシステム空間を利用する」をOFFにすれば、解決しますが、16bitのビデオボードなどを使うときに不具合が出るので、基本的には1MBくらい大目に見てやりましょう。

 メモリの種類は、機種によって多種多様なので、自分のマシンのメモリの種類を、しっかり確認しましょう。「72ピンのSIMM、FastPage、パリティーなし、60ns」など、しっかり分かっていれば、PC/AT互換機用のメモリを流用しても、なんら不都合はおきません。……と言いたいのですが、多少の相性問題はやはりあるようです。なお、「よくわからん!」という人は、素直にパッケージ品を購入しましょう。

 ちなみにこの「72ピンSIMM、FastPage、パリティーなし、60ns」は、PC-9821V10のメモリです。

増設の手順


 まず最初に……。
 メモリは、静電気等に弱い、非常にデリケートなチップです。扱うときは、手近の金属(ドアノブや窓のサッシ等)に触れて、きちんと放電しておきましょう。静電気対策に一番な方法は、全裸でマシンを分解することのようです。

 メモリを増設するには、まずルーフカバーを開けて、ハードディスクを取り出さねばなりません。PC-9821V10では、ハードディスクの下にメモリがあるからです。

フタを開けたトコ カバーを開けて、後ろ(コンピュータ背面)から撮った写真です。

 まずはこのハードディスクを、ネジを外して取り外します。フラットケーブルは外さなくてもいいのですが、抜いた方が作業はしやすいでしょう。外したハードディスクは、またすぐ付けるからといってテキトーなとこに置いておくと、落っことします。取り扱いには注意しましょう。
メモリスロットの外形

 ハードディスクの下に、このようなメモリスロットが、4連で並んでいます。上の二つが標準搭載の8MB×2枚のメモリです。下の二つが、今回増設した32MB×2枚のメモリです。

 写真のように、初めに斜めに差し込んだ後、「ぐい」と立ち上げると、自動的にロックがかかるようにできています。その際、切り欠きが左下に来るようにします。

 ちなみに下の白くて点がたくさんある奴は、CPUソケットです。作業しやすくするため、ここではCPUも外してあります。

 作業が終わったら、まずはディスプレイだけ繋いでみて、動作確認をしましょう。マシンのカバーも閉じなくて構いませんし、ハードディスクも外したままでOKです。電源を入れたら、「ピポッ」と音がなり、

MEMORY 640KB + 79872KB OK

 などと出れば、成功です(値は環境によって変わります)。1024KB=1MBですから、計算は合っていますね。そのまま電源を切り、あとは、ハードディスクをつけ直して、マシンのカバーを閉じます。

 うまく認識されない場合は、もう一度、メモリをつけ直してみて下さい。それでもダメな場合は、誤ったメモリ(使用できない種類のメモリ)を買ってしまった危険があります。メーカー品なら対応機種のチェックを、ノーブランドならパリティーの有り/無し、EDOかFPか、などを確認しましょう。

増設結果

 16MBの時に比べて、「同じマシンなのか?!」と思うほど、体感速度が変わりました。特に、一太郎やInternetExplorerなどの巨大アプリが、ほとんどスワップ無しで動くため、非常に速くなりました。メモリが32MB以下の場合、増設する利点は大いにアリます。


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