<CPUの交換>
CPU……パソコンの脳みそ。
PC-9821V10は、標準で、IntelのPentium 100MHzを搭載しています。ベースクロック66MHzを、逓信倍率1.5倍で動かしているのです。V10は、ロットによってはこの倍率を2倍にして、133MHz駆動可能なマシンもあるらしいのですが、私のマシンにはジャンパがありませんでした。どうやらロットが違うようです。
当時、基板にハンダごてを当てるなんて、とんでもない! と思っていたシャイな私は(笑)、そこで、おとなしく、IO-DATA製のCPUアクセラレータ、「PK-MXP200/98」を、Sofmapで9999円で購入しました(1999年4月)。あまりに安かったので、店員が何か間違えてるんじゃないかと思い、間違いに気付かないうちに買ってしまおうと(笑)、即効で購入しました。(うちの近くのNinomiyaでは、今も2万チョイの値段が付いています)。
これが、PK-MXP200/98です。下から、ゲタ、MMX-Pentium200MHz、ヒートシンク、冷却ファン、がセットになっています。
98で、自分でゲタを買ってきてMMX-Pentiumを載せる場合には、まずBIOSのアップデートが必要です。これは普通に配られてはおらず、Intelの純正ODPなどにしか付いていません。次に、ハードディスクをALL-SCSIにするか、IO-DATA社のUIDE-98を使うなどで、マザーボードのIDEインターフェースを使用不可にしなくてはなりません。
もちろん、このアクセラレータなら、そのような面倒なことは一切考えずに、ただ載せ変えればOKです。
外したPentium100MHzは、何かの時のために、とっておきましょう。CPUを元に戻さないと、バックアップCD-ROMが使えない、という物もあるようです。
CPUを差すときには、決して力を込めてはいけません。この種のソケットはZIF(Zero Insert Force)ソケットと呼ばれ、よーするに「やさしくしてね☆」というソケットなのです。四隅のうち、一カ所だけ、ピンのない角がありますので(写真では左下)、そこを合わせて、載せるだけで、すっぽりと入るはずです。あとは、もとのようにサイドのレバーを降ろします。
その後、冷却ファン用の電源ケーブルを引っ張ってこなくてはなりません。ハードディスクなどに伸びている電源ケーブルに、付属の分岐ケーブルをつけて伸ばしてくればOKです。
付け終わったら、動作確認だけしてみましょう。ハードディスク等は付けなくて構いませんから(カバーも閉めなくてよい)、ディスプレイだけ繋いで電源を入れてみましょう。まず、ファンが回り、「ピパッ!!」と、普段の「ぴぽっ」に比べると異常に早い起動音がした後、
MEMORY 640 KB + 79872 KB OK
と出てくれば、大丈夫でしょう(数字は環境によって変わります)。そのまま電源を切って、元の通りに戻して、オシマイです。
体感的には、WAV→MP3ファイルのエンコード時など、今までは40分近くかかっていたものが、15分ほどで終わるようになりました。その他のアプリケーションも軒並み高速化し、大満足です。ソフトウェアMID(WinGroove)を使いながらも、快適にエディタで文章も書けるようになりました。
ただ、アナタのマシンのメモリが64MB未満なら、まずはメモリを増設しましょう。メモリが十分にある状態でなければ、CPUを変えても、あまり期待する効果はでません。CPUのアップグレードは高く付きますので、慎重に行いましょう。
換装の際の注意点
CPUは、コンピュータの部品の中でも、最もデリケートな部品です。電気的ショックも、物理的ショックも、数万円のCPUをたんなる石ころに変えてしまいます。CPUの裏側は、このように剣山のようになっていますが、決して「つんつん」してはいけません。こーゆーのが好きな人は、あらかじめ縫い針等を多数用意しておいて、「つんつん」したくなったらそちらを「つんつん」するようにしましょう。
また、冬場など、静電気がたまりやすい人は、必ず作業の前にドアノブなどに触れ、放電しておきましょう。やはり全裸で換装を行うと、静電気の心配はしなくてすみます。