カスタマイズ


コンソールデバイスの切り替え

ROMモニタのコンソール

通常、ROMモニタのコンソールとしては、

の2種類が用意されており、これらをディップスイッチで選択できます。しかし、より細かいカスタマイズも行えます。

入出力デバイスの切り替え

入力側として使用できるのは、ss -dコマンドで出力されるデバイスのうち、atrフィールドの2番目の文字がiまたはcであるコントローラに限られます。これを「コンソール入力デバイス属性を持ったデバイス」あるいは単に「コンソール入力デバイス」と呼びます。5000/5900ではシリアルインターフェースesccf、キーボードkbがこれに当たります(下記)。

> ss -d
atr name/vendor ctlr mu ab sl h/w base    softc rev driver slave
cc- esccf          0  1  0  - be900000 ffff75b0   0      -
ci- kb             0  0  0  - bf900000 ffff617c   0      -

また、出力側として使用できるのは、atrフィールドの2番目の文字がoまたはcであるコントローラに限られます。これを「コンソール出力デバイス属性を持ったデバイス」あるいは単に「コンソール出力デバイス」と呼びます。5000/5900ではシリアルインターフェースesccf、およびVT-100エミュレータbitmapがこれに当たります(下記)。bitmapはビットマップインターフェースと通信し、コンソール画面上でVT-100エミュレーションを行うための仮想でバイスです。

> ss -d
atr name/vendor ctlr mu ab sl h/w base    softc rev driver slave
co- bitmap         0  0  0  -   pseudo        -   0      - xa(0,0)
cc- esccf          0  1  0  - be900000 ffff75b0   0      -

VT-100エミュレータ

全てのビットマップインターフェイス上のデバイスは、「ビットマップデバイス属性」を持っています。これらのビットマップデバイスはss -dコマンドでatrフィールド2番目の文字がbと表示されます。

> ss -d
atr name/vendor ctlr mu ab sl h/w base    softc rev   driver slave
cb- xa             0  0  0  - b4400000 ffff6000   1 fff60200

ビットマップデバイスのデバイスドライバは、指定されたキャラクタ位置に文字を描く機能しか持っていません。実際にコンソール画面上でVT-100のエミュレーションを行うのは、bitmapという名前の仮想デバイス(pseudo-device)です。bitmapはビットマップデバイスの上位に位置し、これに適当な指示を与えることによって画面上の動きを作り出します。

NWS-5000シリーズ、NWS-5900シリーズではビットマップインターフェイスを内蔵しており、標準状態でビットマップデバイスxa(またはxb)を持っています。スロットに他のビットマップインターフェイスを装着している場合、複数のビットマップデバイスが存在することがあり得ます。

複数のビットマップデバイスが存在する場合、bitmapの下位デバイスとして選択されるデバイス、つまりコンソールの出力画面となるのは、最も若い番号のスロットに装着されている物になります。この時、内蔵デバイスのスロット番号は0とみなされますので、通常は内蔵ビットマップデバイスが最優先され、コンソール出力画面になります。ただし、ディップスイッチのsw2がonに設定されている場合は、内蔵ビットマップデバイスの優先度は最も低く設定されます。この場合、スロット上のビットマップデバイスのうち、最も若い番号のスロットの物がコンソール出力画面に選択されます。スロットにビットマップデバイスがないにもかかわらず、sw2をonに指定した場合は内蔵ビットマップデバイスが選択されます。

この選択規則は、ROM変数を使って変更することが可能です。

> set bitmap=fbex
> rc

のようにROM変数bitmapに目的のデバイススペックを設定することにより、ディップスイッチsw2の設定やスロットの番号に関係なくfbexというビットマップデバイスがコンソール出力画面になります。ROM変数はディップスイッチsw2の設定に優先します。なおrcコマンドは、全デバイスの再プローブの後再初期化するもので、ROM変数でコンソールの設定を変更した後にこのコマンドを実行することで、初めて切り替えが行われます。

注意
ROM変数でビットマップデバイスを切り替える場合、設定するビットマップデバイスのデバイス名を間違えて設定しrcコマンドを実行した場合、コンソールの出力ができなくなってしまいます。ROM変数は電源を切っても保存されるので、こうなった場合はディップスイッチsw4をonにして電源を入れ直し、始めから設定をやり直してください。

コンソールデバイスの指定

コンソールの入出力はディップスイッチsw1の状態により選択されます。

sw1がoffの時は、入出力ともにesccf(0,0)、つまり内蔵シリアルインターフェイスのチャネル0がコンソールとして使われます。インターフェイスは9600BPS、8ビットキャラクタ、1ストップビット、パリティ無しに初期化され、変更はできません。

sw1がonの時は、入力側としてキーボードkb(0,0)、出力側としてVT-100エミュレータbitmap(0,0)が選択されます。

入出力の設定をさらに細かく行うにはROM変数を用います。ROM変数coninは入力デバイスを強制し、ROM変数conoutは出力デバイスを強制します。例えば、

> set conin=esccf(0,1)
> set conout=bitmap
> rc

とすることで、入力を内蔵シリアルインターフェイスのチャネル1、出力をビットマップとできます。またconin・conoutの片方のみを設定した時は、設定されていない側はsw1の設定に従います。

また、ROM変数はディップスイッチsw1の設定に優先します。

内蔵ビットマップxa(xb)

NWS-5000、5900内蔵のビットマップデバイスがxa(またはxb)です。NWS-7900にはビットマップデバイスが内蔵されていないので、xaデバイスも存在しません。

xaは以下の7種類のCRTディスプレイに対応しています。

xaのデバイスドライバは、どのディスプレイが接続されているかを自動的に認識し、ディスプレイに合わせてビデオ信号のフォーマットや画面のレゾリューションを切り替えます。また、ROM変数crttypeに以下の値を設定することにより、ディスプレイの種類を強制的に切り替えることも可能です。

crttypeの値ディスプレイ
0自動認識
1NWP-1171またはNWP-1201
2NWP-2211(1600x1280)
3NWP-2211(1280x1024)
12HDTV(13W3コネクタ)
13NWP-513またはNWP-516
14HDTV(BNCコネクタ)

なお、ROM変数crttypeが設定されていない場合、0が設定されているものとみなされ、自動認識モードになります。

ブートデバイスの切り替え

以下の場合、NEWS-OSをブートするデバイスとして、デフォールトブートデバイスと呼ばれるデバイスが用いられます。

デフォールトブートデバイスは、ROM変数bootdevにデバイススペックを設定することで変更が可能です。

設定例

デフォールトブートデバイスをSCSIバス0番側の外部拡張ハードディスク、チャネル1の0(またはa)パーティションに設定:
> set bootdev=scsi(,10)

元に戻る