まずは、インストールするファイルを用意します。私はASCIIの BSD magazine 2001/No.07号の付録CD-ROMを用いました。これにはFreeBSD 4.2-RELEASE が入っていますが、package類は入っていないので、自前で用意する必要があります。
インストールCD-ROMは最近は雑誌類に付いていることも多いようなので、適当に漁れば手に入ります。また、The FreeBSD Project (Japan) にある「日本の FreeBSD 関連サーバー」内のディクレトリを見ると、インストール用のCD-ROMのISOイメージが置いてあります。太い回線を持っている人は、こちらからダウンロードしてCDに焼いても良いでしょう。
だいたいノーマルです。
Panasonic Let's note CF-B5ER CPU:PentiumIII/650MHz RAM:64MB + 128MB(MELCO VN133) HDD:20GB HDD(IDE) VGA:ATI RAGE MOBILITY PCI(VRAM 8MB) NIC:Intel 8255x-based PCI Ethernet Adapter (10/100) CD:CDR-P420(MELCO CardBus専用ポータブルCD-Rドライブ、IDE CardBus) FDD:標準USB外付けFDD
インストールの前には、Windows上から各種設定を調べておくと楽チンです。特に、内蔵のVGAのチップ名は重要です。このLet's note CF-B5ERには、ATIテクノロジー社のRAGE MOBILITYという物が使われています。きちんとメモっておきましょう。
また、10BASE-T/100BASE-TXインターフェースが内蔵されていますが、Windowsの方から見るとこいつは、
Intel 8255x-based PCI Ethernet Adapter (10/100)
となっていました。どうやら、内部的にはPCIのNICとして扱われているようですね。それなら案外簡単に認識させられるかも、と思います(実際、簡単に認識させられました)。
ではこんなところでインストールをはじめます。
まず、FreeBSDをインストールする領域を用意します。Let's note CF-B5ERは20GBもの容量を持つHDDを内蔵していますから、少しくらい減っても構わないでしょう。私は4GBほどをFreeBSDに、残りをWindowsMeに割り当てています。Windows領域を壊さずにパーティションを区切るためにはPartitionMagicを買えとか書いてある本がありますが、そんなもんを買う必要はありません。FreeBSD付属のfips.exeを使いましょう。こいつは別にFreeBSDをインストールするためでなくても、純粋にパーティション分割ツールとしても使えます。
fips.exeは、CD-ROMですと(ftpサイトから取ってきてもいいです、構成は同じです)、tools/srcs/fipsというディレクトリにあります。BSD magazine 2001/No.07号の付録CD-ROMではQ:\tools\srcs\fipsにありますが、普通は(例えばftp.jp.freebsd.org)では、/pub/FreeBSD/tools/srcs/fips辺りにあります。このディレクトリにある、「fips.exe」と「errors.txt」を用意してください。
Windowsの起動ディスクをまず作ります。WindowsMeでは簡単に作れないようなので、私はWindows98の方で作りました。WindowsMeでの起動ディスクの作り方は、私はよく知らないので各自勝手に検索して調べて下さい(ぉ。
作ったディスクにautoexec.batとconfig.sysがあったら削除して、生なDOSのみが立ち上がるようにしておきます。そこに、先程ダウンロードしたfips.exeとerrors.txtをコピーして、FDでブートします。……の前に、おっと忘れてた。事前にWindowsから対象のHDDにデフラグをかけておいて下さい。数時間かかるので、寝る前にかけておくか、出かける前にかけておきましょう。
さて、FDで立ち上げると英語モードで起動するので、キーボードに注意して(コロンはShift+セミコロンで出ます)、fips.exeを立ち上げて下さい。なお、fips.exeは当然全て英語ですが、この程度の英語にくじけるような人はUNIXなんか使わない方が幸せになれます(皮肉でなくて本当です)。
はじめに、現在のパーティションテーブルの状態が表示され、様々なチェックが行われます。Press any key が随所に出ますので、適当に進めてください。
最初に聞かれる質問は、
Do you want to make a backup copy of your root and boot sector before proceeding (y/n)?
です。つまり、切る前のMBRの状態をバックアップするか、ということです。私はめんどいので保存しません(どうせリカバリディスクでいつでも工場出荷時の状態に戻せますしね)。なので、nを入力します。
すると、新しいパーティションをどれだけ作るかを決める状態になります(下記の例は540MBのHDDなので実際の値とは全然違います)。
Enter start cylinder for new partition (66 - 1022): Use the cursor kyes to choose the cylinder, <enter> to continue Old partition Cylinder New Partition 32.5MB 66 471.0MB
この状態で、新しく作るパーティションの領域を設定します。
カーソルキーの上下は10シリンダ単位、左右は1シリンダ単位で設定できます。そして、上と左が新しく作るパーティションが増える方向へ、下と右が減る方向へCylinder値を変えます(文章で書くとややこしいですが、やってみればすぐに分かります)。
設定できたら、Enterキーを押します。すると、新しく作られるパーティションテーブルが表示され、
Do you want to continue or reedit the partition table (c/r)?
と聞かれます。正しければcを入力しましょう。rを打てば、やり直せます。すると、チェックが行われた後、
Ready to write new partition scheme to disk Do you want to proceed (y/n)?
と聞かれるので、yを入力します。これで、操作は完了です。
プログラムが終了すると、必ずエラーが出ます。例えば、PC-DOSの場合、
Memory allocation error Cannot load COMMAND, system halted
と出て、リセットするしか無くなりますが、これで問題ありません。FDを抜いてリセットしましょう。Windows上のFDISKで、パーティションが区切られていることを確認して下さい。
こうしてインストールする領域が確保できたので、次はインストーラを起動する準備に取りかかります。
Let's note CF-B5ERでは、CD-ROMブートはUSBな外付けCD-ROMドライブにしか対応していません(IDE Card BusなCD-Rドライブを買った後に気が付いた)。なので、起動FDを用意して、そちらから起動することにします。
先程と同じtoolsディレクトリにあるfdimage.exeというファイルを、適当な場所にコピーしておきます(書籍によっては、rawrite.exeを使え、と書いてあるかもしれません。rawrite.exeは古いプログラムで、現在はfdimage.exeを使います)。
続いて、FDのイメージファイルを準備します。floppiesディレクトリにある、kern.flpとmfsroot.flpをFDに書き込みます。2HD/1.44MB MS-DOSフォーマットされたFDを2枚、用意してください。MS-DOSプロンプトから、
C:\>fdimage kern.flp a:
って感じで書き込みます。単にcopyコマンドでコピーしてもダメです。
なお、このfdimage.exeは、Let's note CF-B5ERに標準添付のUSB外付けFDDでは正常に動きませんでした。適当なデスクトップマシンを誰かに借りるなりして、ブートFDを作る必要があります。
最後に、FreeBSDのCD-ROMの中身全てを、C:\freebsdにコピーしておきます。インストーラがCD-ROMを認識してくれればいいのですが、私はどうやってもダメだったので、このようにHDDにファイルを全部置いてそこからインストールしました。
こうして、インストールの準備が出来たことになります。