PC-9800シリーズに萌え萌えだった私にとって、PC-98NXシリーズは正に敵たる存在でした。そんな理由で、初めてこうしてPC-98NXを手に入れたのは、実に2003年になってからのことでした。驚くべき遅さのNXデビューです。
この機体はVS16C(PC-VS16C)と略されます。PC-VS16CS5DA1とPC-VS16CS5CA1があり、PC-VS16C/S5modelDA1とmodelCA1の違いは添付アプリケーションの違いです(たぶん)。S5というのは、15インチディスプレイがセットになっているという意味です。
筐体の雰囲気などは、いくらかPC-9800シリーズに似ています。ケースは結構簡略化されており、後部のネジ(ドライバーは要らない)を二つ外すだけで開けることが出来ます。
筐体内は、随分と余裕のある作りです。というか、スカスカです。これならもっと小型化出来ると思うのですが……。このシリーズはディスプレイとセットなため、ディスプレイを載せるために余裕のある作りにしているのかもしれません。
メモリは、32MBの168ピンDIMM(SDRAM)が刺さっています。空きが1スロットしかありません。こんなに筐体内に余裕があるのだから、メモリスロットはもう一つ欲しいところです。
また、この機体の特徴として、前面にスピーカーがあります。スピーカーの右側を開けることで、CD-ROMドライブとFDドライブにアクセスできます。見た通り、結構立派なスピーカーで、なかなか良い音を出します。
全体にNECらしい丁寧な作りで、またPC-9800シリーズの頃に比べていくらか洗練されたデザインという気がします。初めて触ったNXですが、結構感心しました。
キーボードはUSB接続で、マウスはキーボードのPS/2端子に接続します。PS/2なキーボードはサポートされていません。
ところで裏話になりますが、このマシン、実は転売用として手に入れたものです。某社の人に中古のPCが欲しいと頼まれ、初めて法人営業(笑)をしたのですが、正直「単なる商品としてパソコンをいぢるのはつまらないな……」と心底思いました。それまで、まず自分でいぢるために手に入れて、さんざん使い倒した後に売り払う、という生活をしていたのです。やはりパソコンはいぢってナンボ。