世界で一番臭い食べ物に出会った日

その名は缶詰「シュールストレミング」


 「シュールストレミング」という缶詰をご存知でしょうか。
 ニシンの塩漬けを缶の中で発酵させた(発酵させてから缶詰めにするのではなく、缶の中で発酵させる)、世界で一番臭いと言われている食べ物です。

 SF作家の野尻抱介氏のページで、この缶詰が私の通う待兼山の大学の某研究室に発送されたことを知った私は、無理矢理おしかけて、無事に開缶に立ち会わせて頂くことができました。



ふくらんだ缶詰め


 このように、缶は発酵ガスでパンパンに膨れています。
 この缶の期限は1999年(かな? うろ覚え……)だったので、振るとピチャピチャという音がするだけで固形物が入っている感じがしません。

「もう中身は液化しちゃってて、食うとこ無いかもしれない」とは、この缶詰めの送られ主の菊池先生の言葉。

恐怖感を煽られる注意書き



 素敵なメッセージ。

「食品と思うな」
「返品、苦情は不可」
「高圧危険」
「すべて自己責任で対処せよ」

 確かに、これが研究室内で開封されたりしたらエライことになります。


開封者

開封者レインコート装着


 開封隊隊長の千見寺氏。氏が開封してくださることになりました。
 マjで大役です。

 開けるとガスが噴出して危険なので、このようにレインコートを装着します。



おーい開けるぞー



「おーい、開けるぞー」
 その途端、今まで集まっていた人は皆一歩下がり、氏の回りには誰もいなくなりました。開けた途端、ガスが噴出して辺りに飛び散ると聞いていたからです。
 しかし。


対して噴出しない



 プシュ、と小さな噴出音がしただけで、大きく中身が吹き出すということはありませんでした。中からは、ぐじゅぐじゅと中身が出てきます。

 開けた途端に、嬉しそうに(まさに「嬉しそうに」という表現がピッタリ)、大量のハエが寄ってきました。写真に写ってませんが、開封中はハエだらけでした。

 さて、肝心の匂いですが、やはり魚系の匂いです。
 昔、サンマを焼いた後に後始末をしないで一週間くらい放っておいたことがあったのですが、それが256倍くらい強まったような匂いでした。
 とりあえず、魚系の匂い、ってことで。

中身が無い

中身発見


 中はどろどろの液状で、ニシンが入っているようには見えません。
「フォークかなんか使って、中身あるか確認してよ」という菊池先生の言葉に従い中身を漁ると、ありました。しかし、かなり崩れていて緩いシーチキンという感じです。

逃げた人



 とりあえず匂いを嗅いだ人は皆缶詰めから遠ざかり、二度と近づこうとしません。
 数人の方が食べたようですが、「しょっぱい」という感想しか無かった模様です。


 この後はバーベキューになったのですが、私は用事ですぐに帰ってしまったので、一体缶詰めの残りをどうやって処分したのかは謎です。

まとめ


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