更新:$Date:: 2013-06-22 00:44:49 +0900#$, $Rev: 99 $
出発当日は朝6:30に起きた。いつもは目覚めが超絶に悪い妻も、なんとか起きてくれたので夫婦二人でバタバタとしながら家を飛び出す。あ、ガスの元栓を閉め忘れた……。
さて成田空港に行くには色々と経路があるが、我々は地理の都合上、成田エクスプレスではなく都営浅草線経由の京成線のアクセス特急で行った。
この京成線の特急は普通車扱いなので、指定券や特急券が要らず、Suicaだけでそのまま追加料金も無しに乗れるから楽チンである(JRの成田エクスプレスは全席指定だから面倒)。電車は意外に空いており、夫婦二人で爆睡しながら成田空港駅に着いた。
成田空港駅に着くと、まず駅から出て空港に入るための簡単な手荷物検査があるが、これはすぐ終わるから安心して良い。空港内に入り、JTBから指示された通りに団体カウンターまで行って航空券を受け取った。JTBのカウンター周りには添乗員さん付きの団体ツアー客もたくさんいて、ワイワイガヤガヤと騒々しい。
さて、私が申し込んだパック商品は航空券とホテルの予約だけなので、ここからは全て自分でこなさないといけない。まずはバージンアトランティック航空のカウンターに行き、手荷物を預けた。ちょっと緊張したが、カウンターの方は普通に日本語で対応してくれたので拍子抜けした。
安心したら腹が減ったので、妻と空港内で朝ご飯を食べた。これから1週間は日本を離れるから、旅行前の最後の日本で食べるご飯だなァと思うとやや感慨深い。
飛行機搭乗前の持ち物検査は、国内線と同じくらいのノリなのでそんなに特別なことは無かった。出国審査もあっさり終わり、パスポートに「出国」のハンコが押されたのであとは飛行機の搭乗口で待つ。
待っている間に、機内で飲むためのペットボトルのお茶を買っておいたが、プレミアムエコノミーではミネラルウォーターが各席に1本配られており、さらにフライト中は頻繁に水やジュース類をくれるため、わざわざ自分で買う必要は無かったな……と後で思った。
さて乗ってみると、さすがはプレミアムエコノミー、シートが豪華でスペースも余裕がある。まあビジネスクラスの広さに比べると寂しいが、通常のエコノミーよりはかなり楽チンそう! そして、素敵なアメニティグッズがもらえた。アイマスク、耳栓、ハブラシ、ボールペンなど。
なんだ、アイマスクとかは自分で用意してきたのに要らなかったなァ。とちょっと拍子抜け。ハブラシもありがたい。海外ではホテルにハブラシが用意されていないということはアメリカに行った時に知ってたので持ってきていたが、機内食を食べた後にも歯を磨きたかったのだ。
さて飛行機に乗ったらまず、腕時計をイギリスの時刻に合わせてしまった。これは、時差ボケを軽くするためのコツと以前聞いた方法である。6月はサマータイム期なので、イギリスとの時差は8時間。ということで時計を8時間戻した。
さてヴァージン・アトランティック航空の感想だが、これはとっても良かった。イギリスの航空会社とのことだが、ANAとのコードシェア便だったこともあり(?)、CAさんも日本人が多いようで普通に日本語で問題ない。機内はコーポレートカラーの濃い紫色や赤色でデザインされており、シートやアメニティグッズ、機内食のナプキンなどにそのカラーが出てくる。これがオシャレなんだ。
機内食も、どれもとても美味しかった。イギリスの食事はマズいと聞いていたから、イギリスの航空会社の機内食もマズいのだろうか……と心配していたがそれは杞憂に終わった。ちなみに、プレミアムエコノミーはエコノミーより食事は少しだけ豪華らしい?
また印象的だったのは、CAさんがとても楽しそうに仕事しているということ。クルー同士は適度に雑談していて、それが全然イヤミっぽくない。また客との会話、クルー同士の会話で普通に声をあげて笑ったりするが、それも素直に楽しい感じ。なんというか、外資系の会社の労働感というのが少し垣間見えたかなァ……と思った。ちょっと大げさかな?
そんな感じで機内からイギリスを感じつつ眠りについた。フライトは約12時間、長い長い旅だった。機内ビデオでBBCのOne Lifeというドキュメンタリーを見たりした。これは生命の色々なシーンを追ったドキュメンタリーで、大きな植物の葉にたまった水の中で育つカエルが印象的だった。
飛行機はぐんぐん高度を下げ、眼下にはぽわぽわした雲と街が見え始めてきた。さすがは一年中天気が悪いことで有名なロンドン、やっぱり曇っているのだろうか? しばらく上空で待たされてから、飛行機はヒースロー空港に降り立った。ここはロンドンから西に25kmほど、イギリス最大規模の空港だ。日本で言えば、成田空港だろう。
さて、ヒースロー空港は世界でも悪名高い空港と聞く。これは、増築を重ねているので分かりにくい、入国審査にすごく時間がかかるし職員の態度が悪い、ロストバッゲージが多い……などの理由による。と、色々聞いていたのでドキドキしながら入国審査の列に並んだ。入国審査は、EU諸国の人なら短い列に並べるが、日本はother扱いで長蛇の列。おおよそ60分ほど並んだかな……。我々の直前にトルコ航空の大型旅客機が着いていたらしく、イスラム圏の方々と思われる人が列には多かった。また日本人団体も多い。ヒースロー空港の職員の方が手慣れた感じで「ダンタイ? イッショ! イッショ!」と叫んでいたのが面白かった。
ちなみに順番としては、入国審査→手荷物受け取り、である。うーん、それじゃ手荷物に麻薬とか違法物が入ってたら止められなくない? と思うがこれでいいんだろうか。
60分近く並んでへとへとな状態で、ようやく順番が来て妻と二人で審査官のカウンターに呼ばれる。飛行機の中で記入した入国カードを出すと、さらに色々と質問が飛んできた。審査官の眼光は鋭くて、ちょっと怖い。
だいたい教科書通りの質問なのだが、長時間のフライト後、長蛇の列に並んで疲れたところをいきなり早口で聞かれるので結構つらい。私一人では全て聞き取れず、妻に助け船を出してもらったりしてなんとか乗り越えた。アメリカでは、こんなに色々聞かれなかったのになァと思う。ちなみにアメリカと違って指紋は採られなかったが、見ていると我々の前で指紋採取されている人もいた。怪しい人は採るのだろうか?
そんなわけで入国審査は無事通り、ヒースロー空港の出口で、JTB手配の運転手氏を捕まえる。かなりイタリア訛りの英語を話す人だったので聞き取りづらかったが、なんとか「ロンドンまでは45分くらい」と聞くことができた(フォルティファイブ、みたいに発音するからはじめよく分からなかったよ)。
ホテルに到着したらもうへとへとで、フロントで "I have a reservation." と言ってJTBの用意してくれた予約確認書を出すので精一杯。予約は無事取れており、部屋まで案内してくれた。妻と二人で1時間ほどベッドに倒れこんで爆睡。
あ、そういえば運転手氏にチップを渡していなかった……。日本では紙幣しか両替できないので、チップ用の小銭(1ポンド硬貨)は空港で水を買うなどして確保しないといけない。それは分かっていて空港で急いでミネラルウォーターを買って小銭も用意していたのだが、運転手氏はあまりに手早く立ち去ってしまったので、チップを渡すスキが無かった。悪いことしたかなァとちょっと凹む。
ちなみに我々が宿泊したホテルは、JTBで予約したChancery Court Hotel, London(チャンセリーコートホテル)というヨーロピアンスタイルのところである。比較的お高い宿泊価格であった。(^^;)
ここでちょっと解説すると、イギリスの宿にはヨーロピアンスタイルとアメリカンスタイルの2種類がある。ヨーロピアンスタイルとは伝統的な建物の造りのホテルで、歴史的な雰囲気もあってステキな感じだが、逆に言うと古い建物なため、水回りの設備や、空調・エレベータなどに若干難アリのところも多いらしい。
一方のアメリカンスタイルは近代的な建物・設備のホテルである。機能的には優れているのだが、ヨーロッパらしさに欠ける点から、日本人観光客には敬遠されることもあるらしい。
私は雰囲気とか正直どうでも良かったのでアメリカンスタイルかなと思ったが、妻がどうしてもヨーロピアンスタイルがいい! と言うので、結局ヨーロピアンスタイルの宿を取ることにした(まぁ、アメリカンスタイルにこだわりがあったわけでもないし)。ヨーロピアンスタイルの安宿はシャワーのお湯が出ないなど日常茶飯事だと聞いていたので、せっかくの新婚旅行だしランク高めなところにしようと探して、結局、前述のチャンセリーコートホテルを選んだ次第。
しかしまぁ、このChancery Court Hotel, Londonは消極的理由で選んだのだが、イヤなところは何一つ無いホテルだった。こちらのたどたどしい英語もイヤな顔一つせず聞いてくれたし、従業員の方も適度にフランク、適度に礼儀正しくて雰囲気が良い。朝食も美味しかったから言うこと無しである。はじめてのイギリス旅行をそれなりに快適に過ごせたので、宿選びは正解だった。